あおひと@海法よけ藩国さんからのご依頼品


朝の明るい光が照っている。
あおひとと忠孝はのんびりと二人、ベンチに座っていた。
あおひとはベンチに座りながら足ぷらぷらさせている。
そして忠孝の肩にこてっともたれかかった。
忠孝は微笑んでいる。
そして甘く穏やかに言う。
「こういうのもいいですね」
あおひとも
「えへへー…そうですね。落ち着きますね、忠孝さんがそばにいると」
とにこにこした。
忠孝は照れを眼鏡で隠しながらも、
「実は私もです」
あおひとは赤面しながら、
「あ、ありがとうございます…そう言ってもらえると嬉しいです」
すると忠孝は少しだけ意地悪く、
「他人行儀すぎませんか? おく、さま」
そして、微笑んだ。
あおひとは、
「ご、ごめんなさい。だって…嬉しいんですもん…。一緒の気持ちだったことが、凄く」
赤くなった顔を隠すように抱きついた。
忠孝は軽くキスした。
微笑んでいる。
幸せそうだ。
あおひとは、
「忠孝さんの幸せそうな顔見てると、ほんわかしますねー」
と、照れ笑いを浮かべた。
と、その時、ふたりに呼応するように、
「あ、お腹の子、動きましたよ」
あおひとはそっと自分のお腹触った。
「まだ早くないですか?」
忠孝は幸せそうなまま、まじまじとあおひとのお腹を見た。
「おなかも膨らんでるようには見えませんし」
あおひとは、そっとお腹に触れたまま、
「…あんまりお腹が目立たないように隠してるんです。ちょっと大きくなって来てますよ?触ってみますか?」
忠孝は笑って、
「はい」
と応え、大事そうにあおひとのお腹を触た。
あくまでそっと、触れながら忠孝は、
「どんな子になることやら」
あおひとはその優しさに触れられながら、
「忠孝さんに似て、素敵な子になるんじゃないですか?」
笑顔を浮かべた後、ちょっと顔をしかめて、
「私に似たら…凄く甘えん坊になりそうです」
と苦笑いした。
忠孝は、本音をもらす。
「人殺しが下手になればいいんですけどね」
そして、
「うまいと、悲しくなる」
あおひとは、忠孝の額にキスをして、
「んー……上手くても下手でも、誰かに愛されるような子に育って欲しいなと思います。あまり上手くいえないのですけれど」
忠孝は微笑んで、
「はい」
と答えた。
申し訳なさそうにあおひとが言う。
「ごめんなさい、こういうとき、もっと気の利いた言葉が言えればいいとは思うんですが」
微笑んで忠孝は、
「お母さんに似るといいんですけど」
それに応えてあおひとは、
「甘えん坊に育ちますよ?絶対!」
そして、
「あ、あと…婚期逃しちゃうかも…私に似てしまうと」
とぼそぼそと言った。
忠孝は、まだ公園に吹く風から守るようにおなかをなぜながら、
「逃してませんよ。私と結婚してるんですから」
あおひとは照れながら、
「あ…そうですよね。でも、私は特殊というか…魔法使いなのに、結婚しちゃってるので」
あははと照れ笑いをして、
「だから子供は魔法使いにしたくないですね」
「魔法ですか。いやはや」
忠孝は少し考えて、
「まあ、青見てれば信じられますけどね」
あおひとは、その名を聞いて、
「青さんですか。一度お会いしてみたいですね。忠孝さんを知っている人に、会ってみたいです」
まだ少し照れたまま、
「それで、他の人からみた忠孝さんってどんな人なのかを聞いてみたいです」
とにこにこ笑った。
忠孝は、
「あまり評判はよくないですね」
苦笑して、
「こまったことに」
あおひとはきょとんと忠孝を見つめながら、
「そうなんですか?」そして考え込むように、
「むー…こんなに素敵な人なのになぁ…」
忠孝は笑って、
「そういうのは奥さんだけです」
ちょっと照れた顔を眼鏡を押し上げて隠しながら、
「それで十分なんですが」
あおひとは顔を赤くして、
「そ、そうですか…私も、忠孝さんに愛されてればそれで十分です」
うつむいた。
忠孝はニコニコ笑ってあおひとの手を握ってる。
あおひとも赤くなったまま手を握り返した。
忠孝笑って眼鏡を押し上げると、
「ま、狭い範囲では納得しているわけだ」
あおひとは照れながらぽそぽそと、
「私にとっては、誰よりも素敵で格好いい旦那様ですから…」
忠孝は明るく笑って、
「お互いに」
忠孝は微笑んでいる。
あおひとは、忠孝をぎゅーと抱き締めて、
「ぅー………駄目です、凄く照れくさいのに凄く嬉しいです…」
忠孝もあおひとを抱きしめている。
忠孝はニコニコ笑って、あおひとを手であおいでいる。
あおひとは懸命に、
「で、でも、そう言う事言って私を甘やかしちゃだめです…もっと甘えちゃいますから」
とぽそぽそとうちあけた。
忠孝は少しだけ真顔になって、
「甘えてください。私だけに」
あおひとはそれで、
「ぅー………はい。わかりました」
ぎゅーと抱きついて胸に擦り寄った。
忠孝は眼鏡を押し上げて、
「素直でうれしい」
忠孝はあおひとの髪をなでている
あおひとは、
「忠孝さんの前では、素直でいようって決めてるんです…………んー…気持ちいいです…」
目を閉じて体預けた。
忠孝は、
「はい」
少し真剣な声音で、
「実は私もそうです」
あおひとは、
「えへへ、一緒ですね」
嬉しそうに微笑んだ。
忠孝は優しくあおひとの髪をなでている。
「はい」
あおひとはうっとりと、
「忠孝さんに甘えるのも、髪の毛撫でてもらうのも、好きです」
忠孝は天を仰ぎ見て、
「それにしてもいい天気ですね」
あおひとも薄目を開け太陽の日差しを眩しそうに、
「そうですねー…こういう日はついついまったりしてしまいます。日本茶とか美味しそうですよねー」
忠孝は微笑んで、
「いいですねー」
あおひとはここが縁側であるかのように、
「あと、猫と一緒にひなたぼっことかしたくなります」
言って、公園ぐるっと見回した。
忠孝は楽しそうに、
「今度茶を買いに行きましょう」
あおひともつられて、
「そうですねー。あと、おせんべも!」
その時公園の片隅に猫がいるのをみつけた。
ハンニバルだ。
あおひとは少し興奮したように、
「ぁ、猫、にゃんこがいる…!」
目をきらきらさせながらハンニバルのほうへ歩いていった。
忠孝が呼ぶと、ハンニバルは走ってきた。
忠孝の肩に乗った。
あおひとは感動して忠孝の元へ戻った。
「うわー、うわー、お知り合いなんですか?」
ときめきを隠せないでいる。
「可愛いー、黒猫ー、うぁー、どうしよう触って…いいですか?」
ハンニバルはあおひとの手をぺろぺろした。
あおひとは驚いて、
「Σにょわっ(汗)………う、嬉しい……あ、でも、私は美味しくないですよ?」
手を舐められたまま固まった。
あおひとは、ほわほわしながら、
「猫はいいですねー」ハンニバルはあなたの肩に上った。
あおひとはさらに驚いて、
「Σうわわわわっ!!さ、触ってもいいですか…?」
恐る恐る手を伸ばした。
あおひとは額を撫でた。
ハンニバルは、にゃ、と鳴いた。
あおひとは忠孝に、
「た、忠孝さんどうしましょう、この猫さん可愛いです…!」
頬上気させながら忠孝を見た。
忠孝は笑って、
「まあ、うちの猫ですが」
ハンニバルの方を見ながら、
「あまり家に帰ってくれません」
あおひとは戸惑って、
「そうなんですか!?うーん、あまり帰って来てくれないのですね、残念」
ハンニバルを膝の上に乗せて撫で撫でする。
ハンニバルは半眼だ。
あおひとは、
「猫さんが帰ってきてくれなくて寂しいですか?」
忠孝は大人しくしているハンニバルを見て、
「まあ、たくましい猫ですからね」
あおひとは納得したように、
「なるほどー…たまには帰って来てもらえると、私も嬉しいです」
とハンニバルに話しかけた。
そして忠孝に、
「猫さんの代わりにはなりませんけれど、私はずっとそばにいますから」
えへへーと微笑みかけた。
忠孝はあおひとを抱きしめた。
猫が逃げた。
忠孝はわずかに真剣に、
「当たり前です」
あおひとは抱き締め返した。
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作品への一言コメント

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  • ああああ、あ、ありがとうございますーっ!いやもう顔がおかしいことになってますにやけが止まりません!幸せですっ!!素敵なSSをありがとうございましたーっ!! -- あおひと@海法よけ藩国 (2008-01-21 20:18:57)
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引渡し日:2008/1/21


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最終更新:2008年01月21日 20:18