サク@レンジャー連邦様からのご依頼品


舞花は海中のドランジの手をとって引っ張った。
サクは抱きつかれて、
「わっ!! だ、大丈夫だからその手のソレをですね」
サクはようやく、ヤガミがなんで眼鏡はずすのにえらい迷ってたか考えた。
そして、あぁーーーー近眼なのね・・・・ごめん、と心の中で謝った。
ドランジは目をあけた。
ドランジは手を引かれながら不思議そうだ。
「?」
ヤガミも不思議そうに、
「手がどうした?」
すまなそうにサクは、
「ごめん。ヤガミ、視力悪かったんだ・・・見えてなかったんだね。」
舞花は海中で、
「がぼがぼ(息は大丈夫なの~?)」
抱きつかれたまま真っ赤になりながら、サクはヤガミに、
「や。その手に持ってる。水着。を。」
ドランジはうなずいた後、舞花の手をとって浮かび始めた。
ヤガミは酔っ払いも手伝ってまるでわかっていない。
「なに? 水着?」 そして、
「そうか、水着なのか」
サクはガクリと体の力を抜きながら、
「気付いてなかったんだ」
ヤガミは赤面した後、布を顔のほうに……。
サクはさすがにそれに抵抗して、
「ちょちょちょ だからそれはっ」
舞花はドランジに連れられ浮上していく。
「うわ!?」
そして、
(もう、心配させて・・・こんなにマイペースな人だっけ?)
と思った。
サクは水着を手から奪い取ろうとした。
サクの頭に水着もった手があたった。
取れない。
サクは胸を隠しながら、
「うにゅ?」
ヤガミは状況を飲み込めていない。
「大丈夫か?」
しかも、
「大丈夫だ、どうせ見えない。本当だぞ」
などと言っている。
恥じらいながらサクは、
「・・・・うん。大丈夫。ありがとう・・・・」
しっかり、
(でも胸はかばいつつ)
ドランジは水面に顔をだした。
舞花もぷは、と顔をだす。
そしてドランジに、
「どうです、少しは涼しくなりました?」
ドランジの裸に、
(赤面して目をそむける)
ドランジは濡れた髪をかきあげ、
「ようやく」
それをきいて舞花は、
「よかったぁ~」
サクは、
「・・・ごめん、勘違いしちゃった。」
ヤガミは水着をかかげたまま、
「なにを?」
恥ずかしがりながら、サクは、
「いやうんまあ。えへへ。」
ドランジはようやくひとごこちついたようで、
「この時代は、なぜこんな温度なんだ?」
舞花は驚いて、
「え? ドランジの時代はそんなに温度低いんだ・・・?」
そして呼び捨てにしてしまい、慌てて、
「あ、ドランジ・・・さん」
ドランジは義理固く、
「心配させてすまない。舞花は大丈夫……なのか?」
舞花は、
「大丈夫じゃない! です」
サクはヤガミを見て、顔を赤くしながらも微笑んで、
「変なイタズラでもしようとしてたのかと・・・そんなわけないよね。うん。」
ドランジは、冷静になって、
「地球平均気温は-20度、このあたりなら本来17度くらいのはずだ」
ヤガミはサクに向かって、
「俺だって命はおしい」
舞花は驚きに言葉もなく、
「-20度・・・」
サクは、きらっきらして、
「・・・・・うふふふふ そうだよねぇ」
超笑顔その2。
ヤガミはうんとうなずき、
「ああ、安心しろ」 そして、
「それと、すまん、やっぱい眼鏡をとってきたほうがよさそうだ」
それならばとサクはヤガミに、
「じゃあ。その手の水着を。返して?」
眼鏡をかける?
「ちょっとまった」
舞花ぷかぷか浮きながら、
「じゃあ、地球の海で泳いだことなんかないんだ・・・」
必死になってヤガミに訴えるサク。
「眼鏡の前に。水着。」
ヤガミはわかっていないようで、
「? 水着はわたしたぞ」
舞花はドランジを、
「ビール5本も飲んでて大丈夫なの?」
と心配したが、ドランジはすっかり平気な様子で、
「もう、戻った」
舞花は内心、
「(この、たーみ〇ーたー!)」
と思ったが、言わずに黙っていた。
一方その頃。
ヤガミは水着を握ったままてさぐりで歩いていた。
そんな乙女の緊急事態の中、サクははじめて、ヤガミが美形だと気付いた。
ドランジはまた水の中にもぐった。
サクは一瞬ヤガミに見とれたものの、
「待って待ってヤガミ、水着貰ってないよ!!」
と後ろから追いかけた。
舞花は浮かびながら、
「泳げるんですよね、ドランジさんは」
しばらくするとドランジは戻ってきた。
「訓練でもぐったことはある。涼しくてよかった」
サクはなんとか追いついたが、
(ああもう。もう少しじっとしてなさいーー)
ドランジも浮きながら、ようやく納得がいったように、
「そうか、最低接触戦争前か」
ヤガミは振り向いた。
サクはそれでも視線から胸をかばいつつ、
(いや見えないからってあんまりこっち見なくていいから)
そして呼吸を乱しながら、
「ぜはぜは。はい、まずは手をだして。」
ヤガミはめがねを掛けた。
「どうしたんだ」
「水着、持ってるでしょう?それを渡して」サクはそう言ってヤガミの手をとった。
舞花は、ぽつりとつぶやくように、
「時があまりに離れている・・・感じ」
ヤガミは、
「ああ。すまん」
サクは思いっきり心の中で突っ込み。
(って えーーー普通?)
ドランジはその暑さを確かめるように海水の水面をすくって、
「核の冬がきてないころは、暑かったんだな」
舞花は、首をかしげ、
「そんなに違う・・・?」
サクは、
「(胸を隠して固まりつつ)・・・・あれ?ヤガミ、眼鏡かけたから見えてる・・・よね??」
ヤガミは顔を真っ赤にして眼鏡の奥の目を横に全力でむけている。
舞花は、
「はぁ・・・」
ため息をついた。
サクはじと目になりながら、
(後ろ向くとかあると思うんだが・・・)
ドランジは舞花に説明している。
「ああ。小さな塵が、地球全体を覆った」
つまり、
「宇宙船が四散したんだ」
サクはとにかく乙女として、
「あーえーと。ごめん、ちょっと着けるから後ろむいてて」
水着を受け取りつつ言った。
そんなことが、と驚く舞花。
「!?」
ヤガミは眼鏡を外した上に後ろ向いた。
サクはなんだか壮絶に情けないと言うか恥ずかしいというか。
顔を赤くしながらも速攻で水着を着用した。
ヤガミは背を向けたまま、
「半殺しくらいにしておいてくれ」
やぶからぼうに、
「良く見てない。本当だ」
サクは恥ずかしいのと情けないのとがないまぜになった気分で、
「・・・・もういいよ。気が付かなかった私も、悪かったし」
そしてしっかり、
「(良く ってどういう意味だ)」
と突っ込みを入れた。
舞花は、ショックを受けながらも、
「・・・宇宙船の名は?」
ドランジは、すくった海水を手からこぼし、
「さあ、何隻も沈んだ。メルボルンも、ベルリンも続く攻撃で消滅した」
続けて、
「ひどい戦争だった。地球は冷えた」
舞花は、自分の故郷の星の行く末に、
「…ああ、そんなに…地球が・・・」
そして、
「(たしかドランジのお母様って・・・)」
サクは水着をちゃんと着た。
ヤガミのほうを、向いた。
ヤガミは眼鏡を落とした。
サクは、あれ、と思いヤガミと眼鏡を交互に見た。
ドランジはやはりこの暑さには辟易したようで、
「だが冷えたのはよかったな」
しかし、しみじみと、
「私の先祖は熱帯の生き物だったんだな」
舞花は広い海に浮かぶドランジを見ながら、
「少しは気分よい?」
サクは、ヤガミがいつまでも拾おうとしないので、
「眼鏡、落ちたよ?」と言った。
ドランジはあからさまに上機嫌そう。
ヤガミは振り向いた。
そしてやぶからぼうに、
「殴れ」
舞花は、
「熱帯のというか、水棲生物だったんじゃないでしょうね」
サクは、ヤガミに対してやれやれと思った後に、そこまでしなくても!と突っ込んだ。
そもそも殴れるわけない。
ヤガミは至って真面目だ。
「銃でもいい」
サクは吹いた。
ドランジはこくこくうなずいていた。
舞花は、
「ええっ!? 真顔ですか!?」
サクは、それでもまあ、見られちゃったわけだしと、
「・・・・わかった。ではお言葉に甘えて」
軽く深呼吸すると、ヤガミに、
「目をつぶって。歯を食いしばってください。」
うなずくヤガミ。
「ああ」
ドランジは不思議そうに、
「真面目だが」
舞花は、
「・・・どんな・・・」
サクは気合いを入れて叫んだ。「うりゃー!!!!!」
そして、かるーく、デコピン。
ばちーん。
ヤガミは倒れた。
動かなくなった。
あくまで軽くだったのにと呆然としながらサクは、
「うぇーーーこんくらいで!!!!!」
駆け寄った。
「めっさ手加減したんだけど!!」
舞花は、ドランジがよければそれでいいと思うことにした。
「(まぁ、いいや)機嫌もよくなったみたいですし」
ドランジは微笑んだ。
「まったくだな」
ドランジは、うりゃーという声をきいた。
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引渡し日:2008/2/13


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最終更新:2007年11月21日 18:03