安全に関するロシア連邦法

安全に関するロシア連邦法


本法は、個人、社会及び国家の安全保障の法的基盤を確保し、安全システム及びその機能を規定し、安全保障機関の組織及び会計、並びにその活動の適法性に対する監督の秩序を定める。

第1編 総則


第1条 安全の概念とその対象


安全とは、国内外の脅威から個人、社会及び国家の死活的に重要な利益が擁護された状態である。

死活的に重要な利益とは、その満足が個人、社会及び国家の存在及び進歩的発展の可能性を確実に保障する需要の総体である。

安全の主要対象には、個人、その権利と自由、社会、その物質的及び精神的価値、国家、その憲法体制、主権及び領土保全が属する。

第2条 安全保障の主体


安全保障の主要主体は、立法、執行及び司法権力機関を通して同領域における機能を実施する国家である。

国家は、現行法令に従い、ロシア連邦領土における各市民の安全を保障する。その国外に存在するロシア連邦市民には、国家により、保護と庇護が保証される。

市民、社会その他の組織及び団体は、安全の主体であり、ロシア連邦の法令、当分野におけるその管轄内において採択されたロシア連邦構成共和国の法令、地方、州、自治州及び自治管区の国家権力及び統制機関の規範法令に従い、安全保障への参加に関する権利と義務を有する。国家は、法に従い安全保障に協力する市民、社会その他の組織及び団体に法的及び社会的保護を保障する。

第3条 安全の脅威


安全の脅威とは、個人、社会及び国家の死活的に重要な利益に危険を創出する条件及び要素の総体である。

国内外の危険の源泉から発する安全の対象への現実的及び潜在的脅威は、国内外の安全の保障に関する活動の内容を規定する。

第4条 安全保障


安全は、安全保障領域における統一国家政策の実施、個人、社会及び国家の死活的に重要な利益への脅威に合致する経済、政治、組織その他の性格の措置のシステムにより達成される。

ロシア連邦における安全の対象の必要な防護水準の創出及び維持のために、安全分野における関係を規制する法規制度が立案され、当領域における国家権力及び統制機関の活動の基本方針が規定され、安全保障機関及びその活動に対する監督機構が編成又は改編される。

個人、社会及び国家の安全保障に関する機能の直接の遂行のために、執行権力システムにおいては、法に従い、国家安全保障機関が設置される。

第5条 安全保障の原則


安全保障の基本原則は、以下のことである。

  • 適法性
  • 個人、社会及び国家の死活的に重要な利益のバランスの遵守
  • 安全保障に関する個人、社会及び国家の相互責任
  • 国際安全保障システムとの統合

第6条 安全保障の立法基盤


安全保障の立法基盤は、ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国憲法、本法、安全領域における関係を規制するロシア連邦の法律その他の規範法令、ロシア連邦構成共和国の憲法、法律、その他の規範法令、並びに当分野におけるその管轄内において採択された地方、州、自治州及び自治管区の国家権力及び統制機関の規範法令、ロシア連邦が締結又は承認した国際条約及び協定が構成する。

第7条 安全保障の際の市民の権利と自由の遵守


安全保障の際、法により直接規定された場合を除き、市民の権利と自由の制限は許されない。

市民、社会その他の組織及び団体は、安全を保障する機関から、その権利と自由の制限に関する説明を受ける権利を有する。その要求により、当該説明は、法令により定められた期間に、書面の形態において与えられる。

安全保障に関する活動過程においてその権限を踰越した責任者は、法令に従い責任を負う。

第2編 ロシア連邦安全システム


第8条 安全システムの基本要素


安全システムは、立法、執行及び司法権力機関、法に従い安全保障に参加する国家、社会その他の組織及び団体、市民、並びに安全分野における関係を規定する法令が構成する。

ロシア連邦法により定められていない安全保障機関の創設は、許されない。

第9条 安全システムの基本機能


安全システムの基本機能は、以下のことである。

  • 安全の対象の死活的に重要な利益への国内外の脅威の解明及び予測、その予防及び無力化に関する機動的及び長期的複合措置の実施
  • 安全保障の戦力及び手段の創設並びにその準備の維持
  • 日常条件下及び非常状況の際の安全保障の戦力及び手段の統制
  • 非常状況の発生の結果被災した地域における安全の対象の正常機能の復旧に関する組織的措置の実施
  • ロシア連邦が締結又は承認した国際条約に従ったロシア連邦国外における安全保障に関する措置への参加

第10条 安全システムにおける権力機関の権限分立


個人、社会及び国家の安全保障は、当分野における立法、執行及び司法権力機関の権限分立に基づき実施される。

執行権力機関は、以下のことを行う。

  • 安全分野における関係を規定する法律その他の規範法令の執行を保障する。
  • 国家安全保障プログラムの立案及び実現を組織する。
  • その管轄内において、個人、社会及び国家の安全保障に関する措置システムを実施する。
  • 法に従い、国家安全保障機関を編成、再編及び廃止する。

司法機関は、以下のことを行う。

  • ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国憲法及びロシア連邦法、ロシア連邦構成共和国の憲法及び法律に指導されつつ、ロシア連邦における憲法体制の擁護を保障する。
  • 個人、社会及び国家の安全を侵害する犯罪に関する事件に関する裁判を実施する。
  • その権利が安全保障に関する活動と関連して侵害された市民、社会その他の組織及び団体の司法保護を保障する。

第11条 国家安全保障機関の指導


国家安全保障機関の総合指導は、ロシア連邦大統領が実施する。

ロシア連邦大統領は、以下のことを行う。

  • ロシア連邦安全保障会議を指揮する。
  • 国家安全保障機関の活動を監督及び調整する。
  • 法により規定された管轄内において、安全保障に関する機動的決定を採択する。

ロシア連邦閣僚会議(ロシア連邦政府)は、以下のことを行う。

  • 法により規定された管轄内において、ロシア連邦国家安全保障機関の指導を保障する。
  • ロシア連邦の省及び国家委員会、その他のロシア連邦のその所属機関によるロシア連邦構成共和国、地方、州、自治州、自治管区の安全の保障に関する措置の立案及び実現を組織及び監督する。

ロシア連邦の省及び国家委員会は、以下のことを行う。

  • その管轄内において、現行法令に基づき、ロシア連邦大統領の決定及びロシア連邦政府決定に従い、安全の対象の死活的に重要な利益の擁護の連邦プログラムの実現を保障する。
  • 本法に基づき、その管轄内において、安全保障に関する官庁内通達(規程)を立案し、安全保障会議の審議に付する。

第12条 安全保障の戦力及び手段

第3編 ロシア連邦安全保障会議


第13条 ロシア連邦安全保障会議の地位


ロシア連邦安全保障会議は、安全保障領域におけるロシア連邦大統領の決定の準備を実施する憲法機関である。

ロシア連邦安全保障会議は、安全保障領域におけるロシア連邦の国内外政策問題、国家、経済、社会、国防、情報、生態学その他の種類の安全、住民の保健、非常状況の予測、防止及びその結果の克服、安定及び法秩序の保障の戦略問題を審議し、国内外の脅威からの個人、社会及び国家の死活的に重要な利益の擁護の状態に対して、ロシア連邦最高会議の前に責任を負う。

第14条 ロシア連邦安全保障会議の構成及びその編成秩序


第15条 ロシア連邦安全保障会議の基本任務


ロシア連邦安全保障会議の基本任務は、以下のことである。

  • 個人、社会及び国家の死活的に重要な利益の定義並びに安全の対象への国内外の脅威の解明
  • ロシア連邦の安全保障戦略の基本方針の立案及びその保障の連邦プログラムの準備の組織
  • 個人、社会及び国家の安全保障領域における国内外政策問題に関する決定の採択のためのロシア連邦大統領への勧告の準備
  • 顕著な社会・政治、経済、軍事、生態学その他の結果をもたらし得る非常状況の防止、及びその除去の組織に関する機動的決定の準備
  • 非常事態の導入、延長又は取消に関するロシア連邦大統領への提案の準備
  • 安全保障領域において採択された決定の実現過程における執行権力機関の活動の調整に関する提案の立案及びその効果の評価
  • 個人、社会及び国家の安全を保障する既存の機関の再編又は新機関の創設に関する提案の立案による安全保障システムの完全化

第16条 ロシア連邦安全保障会議による決定採択の秩序


ロシア連邦安全保障会議の会議は、月に1回以上行われる。必要な場合、会議の臨時会議を行うことができる。

ロシア連邦安全保障会議常任議員は、決定採択の際、平等の権利を有する。安全保障会議議員は、審議権を有して、その業務に参加する。

ロシア連邦安全保障会議の決定は、その会議において、安全保障会議常任議員総数の単純多数決により採択され、安全保障会議議長の承認後に施行する。

安全保障問題に関する安全保障会議の決定は、ロシア連邦大統領令により成文化される。

第17条 ロシア連邦安全保障会議省庁間委員会


ロシア連邦安全保障会議は、その活動の基本任務に従い、機能又は地域に基づき創設される常任省庁間委員会を設置する。

ロシア連邦安全保障会議による非常状況の防止及びその結果の除去、社会及び国家における安定及び法秩序の保障の個別問題、ロシア連邦の憲法体制及び領土保全の擁護に関する提案の立案が必要な場合、臨時省庁間委員会を創設することができる。

常任及び臨時省庁間委員会の編成秩序は、ロシア連邦最高会議の同意によりロシア連邦大統領が承認するロシア連邦安全保障会議に関する規程により規定される。

ロシア連邦安全保障会議の決定により、常任及び臨時省庁間委員会は、安全保障会議議員、並びにロシア連邦のしかるべき省庁の指導者、その次官又はロシア連邦大統領がその権限を与えた者が指揮することができる。

第18条 ロシア連邦安全保障会議事務局


ロシア連邦安全保障会議の活動の組織・技術及び情報保障は、ロシア連邦安全保障会議書記が指揮するその事務局が実施する。

ロシア連邦安全保障会議事務局の機構及び定員表、並びにその部署に関する規程は、安全保障会議議長が承認する。

第19条 ロシア連邦安全保障会議省庁間委員会及び事務局の基本任務


ロシア連邦安全保障会議省庁間委員会及び事務局には、以下のことが委任される。

  • 安全の対象の死活的に重要な利益への国内外の脅威の評価、危険の源泉の解明
  • ロシア連邦の安全状態に影響する国内外の条件及び要素の変化の科学的に論拠のある予測の準備
  • ロシア連邦の安全保障に関する連邦プログラムの立案及び調整並びにその効果の評価
  • ロシア連邦の安全保障システムの機能に関する情報の蓄積、分析及び処理、その完全化に関する勧告の立案
  • その決定の執行過程に関するロシア連邦安全保障会議への通報
  • 安全保障領域における科学研究の組織
  • ロシア連邦安全保障会議決定の草案、並びに安全問題に関するロシア連邦大統領令の草案の準備
  • ロシア連邦の安全保障に関するロシア連邦最高会議へのロシア連邦大統領の報告書のための資料の準備

第4編 安全保障に関する活動の会計


第20条 安全保障に関する活動の会計


安全保障に関する活動の会計は、プログラムの内容及び規模、非常状況及びその結果の性格に応じて、ロシア連邦共和国予算、ロシア連邦構成共和国、地方及び州、自治州、自治管区、モスクワ及びサンクト・ペテルブルグ市の予算の資金、並びに予算外資金の負担で実施される。

第5編 安全保障に関する活動に対する監督


第21条 安全保障に関する活動に対する監督


ロシア連邦国家権力及び統制機関は、その管轄内において、安全保障に関する省庁、企業、施設及び組織の活動に対する監督を実施する。

社会その他の団体及び組織、ロシア連邦市民は、現行法令に従い、安全保障機関の活動に関する情報を入手する権利を有する。

第22条 安全保障機関の活動の適法性に対する監督


安全保障機関の活動の適法性に対する監督は、ロシア連邦検事総長及びその従属検事が実施する。
最終更新:2007年12月09日 10:00
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