ゼロの奇妙な使い魔 まとめ内検索 / 「狂信者は諦めない」で検索した結果

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  • 狂信者は諦めない-1
    某年某月某日 ロマリア皇国 その日、ヴィットーリオ・セレヴァレは歓喜の絶頂にあった。 というのも、彼は自らがブリミルの恩寵を受けた人間であることを確信したからだ。 神聖なるサモン・サーヴァント。 その儀式によって彼が得た使い魔は、他でもない、人間であった。 かねてよりブリミルの使い魔たちについて研究していた彼は、これを喜ばしいことと受け取った。 そう、己の力はブリミルの御力。 己は呪われた鬼子などではなく、神の祝福を受けた神子なのだ。 それは彼にとって何よりの慰めだった。 己の異能の故に母を失い、周囲の白眼視の中で育ったヴィットーリオ。 失われた愛の代わりを、信仰と、ただ己にのみ許された魔法の中に求め続けた。 わたくしは、正しかった。 確信とともに使い魔を見遣った。 召喚された男は背が高く、黒い肌と白い髪をもっていた。 ・・...
  • 狂信者は諦めない-4
    神聖不可侵にして絶対無謬たる教皇の謁見室、といえば絢爛にして華美なものと世人は思うかもしれない。 しかし、この聖エイジス三十二世に限って言えば、それは無かった。 どこか雑然とした印象を受ける。 その原因は彼の蔵書にあった。 散らかっている、というよりは単純に数が多すぎる。 周囲を本棚に包囲され、僅かに開いた隙間になんとか身を落ち着けている。 来客へ微笑みを与えながら、いまや教皇となったヴィットーリオは口を開いた。 「ご苦労様でした、エンリコ。 ずいぶんと大変だったそうですね」 己を神に捧げた者のみが浮かべる、あの微笑。 どこまでも慈愛に溢れ、だからこそ生き物としての熱を欠いている。 「ああ、もう少しで死ぬところだった・・・・・・。収穫はあったが、ね」 「成る程、拝聴しましょう」 「聖地に関してだが・・・・・・やはり、君の考えどおり...
  • 狂信者は諦めない-2
    眠りは突然に破られる。 熱と痛みが負け犬から安息を取り上げた。 それから三日。 目覚めてからの三日間を、エンリコ・プッチは呆けて過ごした。 それも当然といえるかもしれない。 ゴールの手前で振り出しに戻る、とあってはいくらなんでも。 何もする気が起きなかった。 まるで大感動の末に完結した漫画に、いつの間にか出来の悪い続編が付いていたような脱力感を感じる。 呼吸を止める気にもならず、結果として生きている。 しかし、そんな怠惰な日々も三日で終わりを告げた。 運命の四日目。 敗残者は死に、その中から新しいものが生まれる。 それはエンリコ・プッチであって、エンリコ・プッチでない。 あえていうならば、そう、ザ・ニュー神父であろうか。 エンリコ・プッチは迷いを知らない男だった。 明晰な頭脳に鋼鉄の意志。 己の理想のために何を犠牲としても躊躇わない。 あ...
  • 狂信者は諦めない-6
    その日、空条徐倫は主と共に城下町を訪れていた。 さすがは王都というだけあって、トリステイン一の賑わいを見せている。 もっとも、二十一世紀のアメリカ合衆国と比べたなら、それこそドラゴンとトカゲほどの差があった。 「おい、徐倫! 見てみろよ、スゲェーぜ! 漫画だよ漫画!」 なにやら騒いでいる友人に笑みが零れる。 なにやら田舎から来たおのぼりさん、のように見えたのだ。 実際にはむしろ逆なのだが。 父の承太郎が、それと同じようにあちこちのぞき回っているのにいたっては、もはや微笑ましくすら見える。 「ちょっとアナスイ、なんていうか、その・・・・・・歩きにくいわよ」 傍らの女性へ困ったように笑いながら、言う。 女性の名はナルシソ・アナスイ。 豊かといっても良い胸を、徐倫の腕に押し付けながら歩いている。 徐倫が何を言おうと気にせずに、耳元で愛を囁いたり、頭...
  • 狂信者は諦めない 番外-1
    思い出すのは、あの懐かしい日々。 大した苦労も無ければ、悩みも大したことは無かった。 あの日、トリステイン魔法学園は上を下への馬鹿騒ぎだった。 神聖なる使い魔召喚の儀式、そこで予想だにしなかった事態が生じたのだ。 まずヴァリエール公爵家が三女、ルイズが女を召喚し、次に道楽者のマリコルヌが男(後に女と分かる)を召喚した。 続いて香水のモンモランシーが女を召喚すると、最後にタバサ、後のガリア女王シャルロット・オルレアンは帽子の大男を召喚した。 これまでに例の無い異常事態に、誰もがなす術を持たなかった。 全てはルイズから始まった。 その場にいた全ての人間が、後にそう言った。 それどころか、トリステインの公式文書にまでそう記されている。 彼女がそれに関して何を思ったかは定かでない。 後世、竜に例えられたほどの烈女もこの時16歳。 余りの出来事に、ただ呆然として...
  • 狂信者は諦めない-5
    ここハルケギニアにおいて、竜騎士は戦場の華である。 その機動力と打撃力は他の兵科の追随を許さない。 しかし、竜騎士は極端な脆弱性をも同時に持ち合わせてもいた。 その上一旦消耗してしまえば補充もままならない。 つまりは切り札だった。 その竜騎士達であるが、竜騎士の特権として彼らは最上等の防寒衣を与えられていた。 なんといっても空高く飛ぶのであるから、十分な装備を整えなくてはならない。 そうでなくては十分に戦闘力を発揮できないし、第一命に関わる。 それはエンリコ・プッチにとっても同じことだった。 ヴィンダールヴの異能故に、彼は誰より風竜を巧みに乗りこなしたが、厚着はしなければならなかった。 大き目のブーツを履き、足との隙間へぼろ布を詰める事さえしている。 背中にはやはり同じ格好をした、ジュリオがしがみついていた。 吹き付ける風に、流れ行く景色にいちいち感嘆し...
  • 狂信者は諦めない-3
    人類の大敵エルフ。 人は言う。 其は邪悪の権化にして、好んで人を喰らい、その骨を工芸品とすると。 しかし、現実の彼らは決してそのような存在ではない。 彼らはむしろ調和を愛し、平穏をこそ望む種族であった。 さらに彼らはいわゆる「人」に比べ、はるかに先進的な社会を築いてもいた。 それは政治体制を比べてみるだけで明らかだった。 エルフ達は自らの経験から、どのような偉大な人物にも自ずと限界があることを学んだ。 独断が真実に辿りつくことはない。 一人の人物に全てを預けることは、自殺を望んでいることに等しい。 それを避けるためには、なるだけ多くの人間がなるだけ多くの議論をし、 その中でより多くの、より確かな真理を得る他ない。 そのための選挙であり、そのために議会がある。 それが彼らの結論だった。 高度な政治体制とそれに見合った「国民」。 共に、現在のハルケギニアの諸...
  • 狂信者は諦めない-7
    「それはまた・・・・・・大変でしたね」 任務から戻った使い魔へ、教皇エイジス三十二世は、そう労いの言葉を掛けた。 友人の疲れきった顔を見ていたら、申し訳ない気持になったのだ。 少し焦りすぎたとの思いがある。 「ああ、まずいことになった。・・・・・・我々のことを知られてしまった――――問題になるのではないか?」 「いえ、それほどの事は無いでしょう。捕らわれたわけでもありませんからね。知らぬ存ぜぬで通しましょう」 青年は顔色も変えない。 この楽観には理由がある。 というのも、トリステインを切り盛りしている宰相マザリーニは、このロマリアの出なのだ。 故に、トリステインはロマリアに強く出ることが出来ない。 マザリーニへの風当たりは強くなるかもしれないが、その程度のことに動じる漢でもないだろう。 なにしろ、あの暢気な連中を率いて、ゲルマニアやガリアの悪党...
  • 狂信者は諦めない 番外-2
    それは風の強い夜だった。 タバサは自室で本を読んでいた。 大きなソファ、承太郎の寝台にもなるそれへ腰掛けている。 いかに使い魔とはいえ、異性と同じ部屋で寝起きする、という事には抵抗を感じそうなものだが、このタバサにそれはなかった。 自分を女と思っていない、ということもあるが、なんといっても承太郎にそういう部分を見出すことが出来なかったからだ。 とはいえ、娘がいるのだから、当然そういった面もあるはずなのだが。 どうにも想像が出来ない。 あの徐倫にしても、本当に普通の方法で生まれたのだろうか。 なんというか、木の股から生まれたとか、そんなんじゃなかろうか。 そんな失礼なことを考えている。 それにしても、とタバサは思う。 ギトー教師に招かれるとは、承太郎のどこが気に入ったのか。 あの陰気な男は、誰に対しても冷淡に接することで有名なのだが。 まあいいか、とす...
  • 各部キャラ
    ...神父新世界の使い魔 狂信者は諦めない マンハッタン・トランスファー変な帽子みたいな使い魔 エンポリオ子供の使い魔 ティータイムは幽霊屋敷で ホワイトスネイクゼロのスネイク ゼロの奇妙な白蛇 DISCはゼロを駆り立てる C-MOONL7 meets C-MOON リキエル使い魔は空高く 七部 ~STEEL BALL RUN~ リンゴォゼロの世界 リンゴォ+才人+色々ギーシュの奇妙な決闘 マウンテン・ティム微熱のカウボーイ ジャイロStart Ball Run サンドマンサンドマン ジョニィ歩き出す使い魔 Dioスケアリー・サーヴァント マイク・Oマイク・O ファニー・ヴァレンタイン(大統領)D0C 八部 〜ジョジョリオン〜 バオー 来訪者 橋沢育郎ゼロの来訪者 バオー犬ゼロいぬっ!
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  • 亜空の使い魔-1
    覚悟は出来てるか? 俺は出来ているッ!! 亜空の使い魔 「キサマなああんぞにィィィィィィーッ……」 満身創痍のヴァニラ・アイスッ 彼方此方から血を流し右腕と右足、それぞれ肘と膝から下が綺麗に消し飛び あまつさえその断面からは煙のようなものが出ていたが 日光の中、同じく満身創痍で膝を付くポルナレフに向かい吠える しかしッ 「地獄でやってろ」 ドンッ ポルナレフのスタンド―シルバーチャリオッツ、甲冑を着た銀色の騎士の肩がヴァニラにぶつかり、DIOの血で吸血鬼となった狂信者は、文字通り塵となった 塵になった者はどうなるのか?それはスタンド、クリームの亜空間に消えた者の行方同様に分からない しかし 「ぐぁああああッ!?」 「きゃっ!」 ヴァニラ・アイスは突然左手を襲った焼け付くような痛みで覚醒する 「な、何...
  • 3 見えない悪魔、読めない表情
    3 見えない悪魔、読めない表情 なにやら爽快な目覚めだった。なんだろう?風が吹いているからかな? 窓が開いている。その下に半裸の男が――平民で、使い魔だ――座っている。俯いていて表情はわからない。 寝起きに合わせて窓を開けてくれたのだろうか?なかなか気が利く奴だ。名前はなんだっけ…。 いや、まだ名前も聞いていない。朝の第一声が「あんた誰?」はマヌケっぽいけど、まあいいや。 「ねえ」 声を掛けても反応は無い。寝ているのだろうか? 「ねえったら」 ようやくこちらを向く。何か思いつめたような顔をしている。「あのさ、あんた 「ここはどこだ」 発言をさえぎられてルイズは不愉快になる。せっかくの使い魔に対する評価もすぐ地に落ちた。 切羽詰っているのが声から分かる。 どうせ教養の無い平民だ。この建物を見ても自分がどこにいるか分からず、不安で眠れ...
  • 使い魔は手に入れたい-40
    シエスタの父親が持っていた曽祖父の遺品。 どんなものがあるのか私は結構楽しみにしていた。 ゼロ戦は諦めなければならなかったが、それ以外の遺品は交渉しだいでもらえるかもしれないからだ。 そんな胸中だったのだが、シエスタの父が引っ張り出してきた遺品に私は愕然とした。 「なにこれ?眼鏡みたいに見えるけど、少し大きすぎるし」 「私もよくわかりませんな。じいさんは何にも言わずに死んじまったし」 「ねえヨシカゲ。これなんなの?」 ルイズがそれ手に持ちながら聞いてくる。 「……ゴーグルっていう、目を守るための道具だ」 「ふーん」 ルイズもそれを聞いただけで興味を失くしたようだった。 当たり前か。空を飛ぶとかいう道具じゃないからな。 ゼロ戦より興味を引かれるはずもない。 それにこの世界でもゴーグルみたいなものはあるだろう。 なかったとしても作れる。 ...
  • ゼロの番鳥-14
    そこは薄汚い店だった。 壁や棚の至る所に武具が乱雑に並べられていて埃臭い。 ドアの音に気付いたのか、店の奥から出てきた主人は胡散臭げにルイズとギーシュとペットショップを見つめる。 何も言わずにパイプをプカプカと吸っていたオヤジだが。 ルイズとギーシュの紐タイに描かれた貴族の印に気づくと、途端に笑顔になった 「これはこれは、貴族の旦那様方がこんな所まで一体何の御用で?」 「ナイフを買いに来たんだけど」 顔を見ずに告げるルイズに少しムッとする親父。 だがすぐに気を取り直すと、営業用スマイルを浮かべながら店の奥に引っ込む。 何で貴族が武器なんて買いに来るんだ?誰が使うんだ?と言う疑問は親父の頭には無い 今、考えている事はどうやって金貨一枚でも多く分捕ってやるか。それだけである。商売人の鏡だ。 (絶~っ対にボッタくってやんぜ~!) と、親父が意気込んで数十秒が経った後、...
  • サブ・ゼロの使い魔-40
     木造の粗末なベッドに椅子とテーブルが一組、他に眼に付くものは壁に掛けられたタペストリーのみ。その質素な部屋が、アルビオン王国皇太子、ウェールズ・テューダーの居室であった。  部屋の主は椅子に腰掛けると、机の抽斗を開いた。そこにはたった一つ、宝石が散りばめられた小箱が入っている。先端に小さな鍵の付いたネックレスを首から外すと、彼はそれを小箱の鍵穴に差し込んだ。  開いた蓋の内側には、アンリエッタの肖像が描かれている。  ルイズとワルド、それにギアッチョがその箱を覗き込んでいることに気付いて、ウェールズははにかむように笑った。 「宝箱でね」  小箱の中に入っていた手紙を、ウェールズはそっと取り出す。それこそがアンリエッタの手紙であるらしかった。愛しそうに手紙に口づけた後、ウェールズは便箋を引き出してゆっくりと読み始める。  何度もそうやって読まれたらしいそれは、既にボロボロだった...
  • フリッグの舞踏会にて
    ルイズが到着する、ちょっと前の舞踏会場。 新たなる出会いを求め、それなりにおめかしをした マリコルヌ・ド・グランドプレは、 人生かつてないほどの衝撃を受けていた。 その視線は、近くのテーブルで豪華な料理と格闘している女の子…… タバサに余すところ無く注がれている。 いつもの制服ではなく、黒いパーティードレスに身を飾った彼女からは、上品な雰囲気が醸し出されている。 しかしタバサはそんなことなど全く気にしたようもなく、 ただひたすらにテーブルの上の料理と格闘している。 その子供っぽさが、衣装が生み出す上品さとの間にギャップを生み出し、 マリコルヌの魂(ハート)を激しく震わせていた。 「…………………ベネ」 今もまた、汚れた口元を無造作にゴシゴシと拭うタバサを見て、 マリコルヌのハートが更にヒートする。 燃え尽きるほどに。 気がつ...
  • 13 青い少女、蒼い妖精
    13 青い少女、蒼い妖精 壁に開く焼け焦げた穴から、朝の光が差込む。室内をゆっくりと舐める。昼近くにキュルケは目を覚ました。窓のないことに気づき、思い出す。 「そうだわ、ふぁ、色んな連中が顔を出すから、ふっ飛ばしたんだっけ」起き上がり、 あくび交じりに伸びをする。寝台から降り、顔を洗う。 化粧を始めながら、記憶を反芻する。あのルイズの使い魔、デーボ。顔貌からは想像もつかないほどの、奔放な創作能力。彼の語る「元の世界」の話は、キュルケを大いに惹きつけた。 これは恋?まさか。自分が恋多き女であることは自覚している。それでもこれは違う。男の話は面白かったが、付き合うかと言われれば……。 だが、それでも、強い興味を引かれる。学院の男どもとは何もかもが違っている。恋などではないにしろ、話の続きは聞いておいて損はない。今日は幸いにも虚無の曜日、時間はたっぷりあるだろう。 ...
  • 見えない使い魔-14
    城にある小さな礼拝堂、そこでは結婚式の最中だった。キュルケにタバサ、 ンドゥールが客、ウェールズが司祭の役。 だが新婦であるルイズはどこかぼんやりとしたままでワルドの言葉を聞いて いる。ウェールズの言葉も耳に入っていない。両目は赤くはれ上がっている のは夜通し泣き明かしたからだ。 「ねえ、ダーリン」 キュルケが小声でンドゥールに話しかけた。 「いいの? このままで」 「別にかまわん。それに、ワルドが俺が思ったとおりの人間なら、じきにこ の場は崩壊する」 どういうことかはわからなかったが、キュルケは静かに杖に手を伸ばした。 タバサも黙ったまま同じ行動を起こす。 ルイズの目にはワルドが映っている。幼いころから憧れていた男、婚姻の約 束を交わした男、結婚しようと言ってくれた男。それは心から嬉しかった。 このおちこぼれの自分を好いてくれる...
  • 見えない使い魔-16
    ルイズはその魔法を即座に思い出した。 『ライトニング・クラウド』 雷を発生させる凶悪な攻撃魔法、それが扉にいた四人のワルド、風の遍在に よって放たれたのだ。 青白い光が空気中をジグザグに走り、炸裂。よくて大怪我、悪ければ死亡。だが、 ルイズとキュルケ、タバサは怪我ひとつしていなかった。 失敗した、わけではないはずだった。空間を叩き割る音、それがいまも耳鳴り として残っている。 耳鳴り、とは。 「ンドゥール!」 ルイズが呼びかけるが、返事はなかった。彼は杖を突いたまま立ち、微動だに していない。心配は杞憂に終わったのか、いや、そうではなかった。彼はただ、 倒れることを拒否しているのだ。耳の穴から真っ赤な液体が流れ出しているにも かかわらず。 「保険が効いたみたいだ」 ワルドが服のほこりを払い、立ち上がった。ウェールズたちは逆に窮地に...
  • Shine On You Crazy Diamond-1
    使い魔は静かに暮らしたい  ルイズ視点 わたしの横にはヨシカゲが寝かされている。 わたしはその寝顔を見詰めながら思う。今ヨシカゲはどのようなことを考えているのだろうかと。 眠っているのに考えるというのはおかしいがなんとなくそんな気がするのだ。 あのとき、ヨシカゲを問い詰めたときにヨシカゲは、 『……もし、『そうだ』と言ったら?』 そう言った。 その質問に答えようとするとヨシカゲは突然顔色が悪くなった。 初めは船酔いなのかと思った。初めて船に乗るものにはよくあることだ。背中でも擦ってやればすぐによくなるだろうと思っていた。 しかし顔色はだんだんと、もはや船酔いでは済まされないほど悪くなっていった。 あとで聞かされたことだがそのときヨシカゲは息が出来ていなかったのではないかという。 あとは苦しそうにのどを押さえ膝を突き倒れこんだ。 そのあと...
  • ゼロと奇妙な隠者-13
     ジョセフが指先一本で天井からぶら下がっている。  数十秒ほどその体勢を維持した後、すとんと床に下りて水差しからコップに水を注ぐ。  そしておもむろにコップを逆さにしても水は零れない。そこから水面に指をつけて水をコップの形のまま取り出すと、水の塊を齧ってみせる。 「波紋が使えるとこういうコトが出来る。後はワルキューレブッちめたり傷を治したりも出来たりするというわけじゃ」  ルイズの部屋の中、ジョセフは改めて自分の持っている能力をルイズに披露していた。  基本的に表面上は平和なトリステインだけどもしもの場合に何があるか判らないから、というルイズの提案と、ジョセフも自らがルイズを主人とする以上は手の内を見せておくことが信頼に繋がる、と互いの思惑が噛み合って今に至る。  ワルキューレをブッちめるのは波紋のせいだけではないが、少なくとも一部を担っていることは確かだ。  ...
  • DIOが使い魔!? 親友-2
    深く暗い森の中を、キュルケは一人疾駆していた。 時折り背中の火傷がズキズキと痛むが、それでも構わず全力で駆け抜ける。 「タバサ……!」 呟くのは、かつて無二の友人だった生徒の名前。 思い出すのは、いつだったか、『土くれ』のフーケの討伐に行った記憶だった。 あの時DIOと一戦交えてから、タバサは確実におかしくなっていった。 それに薄々気づきながらも、ついぞ止められなかった自分を情けなく思う。 もはや彼女は、DIOの操り人形なのだろうか。 ……いや違う、彼女は人間だ、とキュルケは自分を叱りつけた。 諦めそうになっているのをタバサの冷たさのせいにして、 自分で勝手に彼女を見捨てようとしているのだ。 不甲斐ない。自分は此処に何をしに来たのだったか。 大切な大切な……親友を連れ戻すためだ。 キュルケは自分の背中を一撃した。 もう一回&qu...

  • ――1943年、1月20日 北緯48度42分、東経44度31分。 過去にツァリーツィン、後にはヴォルゴグラードと呼ばれるその場所は、この日、地獄だった。 より正確に言うならば、この日もまた、ドイツ軍人にとっての地獄だった。 ドイツ軍がこの都市に突入したのは、昨年の9月。しかし戦闘は際限ない市街地戦にもつれ込み、 完全占領がならないままソ連軍の増援が到着。勢いを盛り返したソ連軍は都市北方の守備に当たっていた ルーマニア軍を蹴散らし、都市攻略に当たっていたドイツ第6軍および枢軸軍将兵23万び対する包囲網を 形成した。 包囲の輪が完全に閉じられたのは、11月の終わり。マンシュタイン元帥が指揮する解囲作戦も 失敗に終わり、以来補給はまれに飛来する空軍機からパラシュートで落とされる僅かな物資のみ。 弾薬、燃料、食料、衣料品、暖をとるための薪さえもが致命的...
  • 二刀シエスタ
    礼拝堂にて対峙するワルドとシエスタ。 シエスタの右腕にはアヌビス神、左腕にはデルフリンガー が握られていた、二振りの剣が互いに罵り合う アヌス「だから俺が体を乗っ取って、動かしているんだから 俺がメインで決まりだろ!」 デルフ「だまれ若造!たかだか500歳ごときで俺様に意見するん じゃねぇ、魔法吸収がある俺がメインだ!」 アヌビス「うるせーなー6000歳のボケ老人は黙ってろよ」 二振りの痴話喧嘩をシエスタが遮る。 シエスタ「お二人とも静かにして下さい、今はこの裏切り者に ウェールズ様とルイズ様の仇を取らねばなりません」 婚礼の儀式の途中、二人は殺されてしまった、シエスタは怒りに 燃える双眸をワルドに突きつける ワルド「平民のメイドごとき何が出来る?」 五人のワルドが魔法を振るう、だがシエスタは魔法の軌道が 見えるかのように回避して...
  • アホの使い魔-1
    「俺の名はペイジ」     ドォッシュウウウ 「ジョーンズ」     ボシュウッ 「プラント」     ジュウウウウウウウ 「ボーンナム 血管s」     デロリン 「ルン!ルン!ルン!」     ゴシャァアッ 「ズラ!」     ボシ─── 「え!?…オレ?  外に居たのは……おれだったァ──  棺桶の中に居たはずなのにィ~~~~」     ゾバゾバッ 爆音が響き、土煙を巻き上げて何かを呼び出す閃光。 そして、土煙が晴れる度に日光を浴びる度に呼び出した使い魔が溶けて消えていく。 それが今日の『ゼロのルイズ』の『サモン・サーヴァント』の晴舞台であった。 「おいおい、一体何回死なせるんだよ!」 「ゼロじゃなくて死神のルイズか!?」 「十回超えてるじゃねぇェかよぉぉお!  なあ、帰っていいだろぉ...
  • マジシャンズ・ゼロ-2
    失敗した魔法による爆発でできた、煙が晴れるとそこには男が倒れていた。 倒れている浅黒い肌の男は、奇妙な服から平民と解る。 それを確認したのかあちこちから嘲笑が出始める。 「あれは……人間か?」 「それにあの格好、平民だぞ」 「ああ、平民だ」 「プッ………クスクス」 「アハハハハハハ」 周囲からの自分を笑う声が聞こえる。 ハルケギニアにあるトリステイン王国のトリステイン魔法学院二年 ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは屈辱に震えながら爆発と共に現れた男に言った。 「あんた誰?」 しかし、目を瞑って倒れている男は意識が無いらしく答えない。 倒れてる男にまで、馬鹿にされた気したルイズはさらに機嫌を悪くする。 周りを睨み付け黙らせ、男を見ながら考える。 (何で!?私はサモン・サーヴァントをしたのよ?なんで平民が出てくるのよ!  しかもこんなブ男...
  • L・I・A 第10話
    第10話 零と金剛と料理人と 「オマエェ~~~~~~~ソコでナニをシテイルッ!?」 なんだと言うのだこれは。自分は、とても良い匂いに誘われた。故に本能の赴くままに来てしまった。 ぼーっとしていた頭がクリアになり、自分の行いを振り返る。確かに何も言わずに厨房に入るのはマズイ事だろう。 何故自分もこうなったのか解らない。 しかし何故目の前のこの男は『こんなにも殺気だった目』でこちらを見ているのかッ! 「ミタナァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!」 トニオの修羅か羅刹の如き表情。今、彼の目に映るには、目の前の桃色の髪の少女ただそれのみ。『許せない』『ユルせナイッ!』全くもって許す事は出来ない。 少女はやってしまった。もしもが重なり、何かきっかけがあれば自分の使い魔になっていたかもしれない彼の『許せない事』をッ! ギュオンッ! 「あうッ...
  • 空条承太郎!貴族のルイズと会う ――(1)
    どうも、こんにちは。 え、僕の名前ですか?それは多分、どうでもいい事だと思いますよ。 何しろ、僕の出番はここだけですから、名前を知る必要はないんです。 ……名乗る必要があるなら、こっちの方でしょう。 見えますか?僕の周りを飛んでる4匹のカブトムシ。 見えるんなら結構。これはね、僕の『スタンド』です。 その名前は『ビートルズ』。好きなミュージシャングループから名前を取ったんですよ。 いいですよねぇ、ジャン=レノンって。 っと、失礼。話したいのはそう言う事じゃないんです。 話したいのは『スタンド』のことなんですよね、これが。 『スタンド』と言うのは、まあ平たく言えば超能力みたいなものです。 ここに来ている人達ならば『魔法』のお仲間だと思ってもらえればいいと思います。 違いがあるとすれば、この『スタンド』は、完全に個人の才能であり...
  • ゼロの使い魔への道-1
    空が青く、清く、何より広い。 無遠慮な壁に邪魔されることなく、どこまでも高く高く続いていく。 陽が暖かい。豊かな草原が風になびいて波を打っている。 潮代わりの草いきれが流れ、散っていく。 人間はこうした土地に、郷愁や温かみ、開放感に心地よさといった正の感覚を知るのだろう。 一般的なホモサピエンスとはかけ離れた存在である彼にも悪くない場所と思えた。 顎を引き、見渡し、頷く。やはり悪くない。 なぜここにいるのか、その原因は分からない。 ここが地球上のどこかも分からない。 何者かによるスタンド攻撃なのかも分からない。だが、それでも悪くはない。彼にとってはどうでもいい。 草の向こうに巨大な石造りの建物が見える。 テーマパークか。図書館、博物館、見たまま城。刑務所ということはなさそうだ。 退屈な環境ビデオのごとく、稀に見る良い環境だ。...
  • おれは使い魔になるぞジョジョー!-0
    ディオは追い詰められていた。――いや、機を伺っていたという方が正しいだろう。 酒を飲んでは暴れ回る父、ダリオを毒殺して七年間、生前ダリオが恩を売っていたジョースター卿の 養子となったディオはジョースター家の財産を乗っ取って世界一の男となるため、卿に気に入られるように 努める一方で卿の一人息子ジョナサンを徹底的に追い詰めて堕落させようとした。 しかしジョナサンは持ち前の前向きでどんな事にも諦めない性格により太く逞しく成長した。 だがディオは計画を変更し、ジョースター卿にダリオと同じく遅効性の毒を飲ませて殺害を謀る一方 『石仮面』と呼ばれる謎の仮面によってジョナサンを闇に葬ろうと考えたのだ。 しかし偶然見つけたダリオの手紙によりダリオの病状と父のそれとが同じ事に気づいたジョナサンは ディオの陰謀を未然に防ぎ、毒薬の入手元である中国人を捕らえて動かぬ証拠を握ると、何も知らないディ...
  • 割れないシャボンとめげないメイジ-2
    割れないシャボンとめげないメイジ シーザーの目的 「マンマミーヤ…」  一体ここは何なんだ。魔法使いのような格好だけならまだしも、人が空を浮いていた。  自分自身平凡とは言いがたい人生を過ごして来たつもりだがここでは更にその上を行っている! 「それでシニョリータ、流石に俺に説明してくれるんだろ?」 シーザーは何故か彼らの後を付いていかないルイズに対して尋ねた。 「俺はさっき一体何をされたんだ。それにここは何処なんだい?」  いい加減こっちも何が起こったのか知りたいんだ。  さっきまで死んでいたといっても過言ではない傷を負っていたッ!  波紋を使った治療でもこんなにキレイに治すというのは不可能なのだからッ! 波紋を使った治療はあくまで応急処置程度が普通だ。 ジョセフの祖父ジョナサンは私の祖父ウィル・A・ツェペリの波...
  • ボス憑きサイト
    香水をシエスタが拾い、ギーシュの二股が周知の物となり、やつあたり→決闘の流れで 「とぅるるるるるるる。」 ボコられ過ぎて逝っちまったか、あの平民。 逝った目で何かを言い始めた才人にギーシュはワルキューレの攻撃の手を止めた。 「あれ、電話の音が・・・とぅるるるるるるる・・・こんな時に何処からだ。」 必死に何かを探し始める才人。呆然と見ていたギーシュは正気に戻った。 「とぅるるるるるるる・・・近くで聞こえるのに見付らない。どこだよ。」 二股を誤魔化す為に平民に決闘を申込みボコッたのはまだ良い、それがヴァリエール 家の使い魔ではなければ。二股を誤魔化す為、近くに居たルイズの使い魔の才人に決 闘を申込んだ。彼女の性格上、半殺しにするぐらいなら問題にする事は無いだろう。 ここまでは良い、決闘で打ち所が悪く使い魔が狂ってしまったとなると話は別だ。 魔法が使えないとは言えヴァ...
  • 偉大なる使い魔-40
    深夜から早朝にかけて静まり返っている塔の中。 その為、小さな足音も階段から聞こえてくる。 カツーン   カツーン   カツーン 足音が近づくにつれ杖を構えたキュルケの呼吸が激しくなる。 「深呼吸したら。動悸が激しくなると体温が上がるわよ、その分老化も早まるから気をつけて」 「何なのよ、その地獄のコンビネーションは!もっと明るい話題は無いの?」 「・・・プロシュートの偏在は厄介だけど、プロシュート自身は普通の人間よ。 だからプロシュート本人に魔法を当てることができれば勝機があるわ。 そして、魔法と違ってプロシュートを倒せば全て元に戻るわ!」 「まだ、何とかなるって訳ね」 「ええ、諦めないで。来るわよ!」 全員身構えながら出入り口に注目する。 プロシュートが姿を現した。当然その側にグレイトフル・デッドの姿があった。 「君たち下がりたまえ」...
  • シュトロハイムの野望・将星録
    ⊿月⊿日 どうやら俺が呼び出されたこのハルケギニアは全くの異世界らしい。 しかも召喚したルイズという小娘が言うには元の世界に帰る方法は無いという。 だが俺は諦めん! 今は甘んじて小娘の下僕という屈辱も受けよう! 我が使命、ドイツによる世界統一を果たすために! ⊿月×日 ここに来て天啓! 我、逆転の発想を得たり! ハルケギニアは異世界。故に連合軍やソ連軍の妨害も及ばないのだ。 ここでドイツ軍の軍備を拡張し、次々と部隊を送り込めば戦局を打開できるのではないか? ……出来る、出来るのだ。 そうと分かればこうしてはいられない。 即座に行動に移す事にした。 シュトロハイムの野望・将星録 ⊿月○日 絶対服従の演技をし続けたのが功を奏したのか、 なんとか図書室への出入りの許可を得る事に成功した。 表向きの口実は字が読めないと不便だからという事だが真実は違う。 ...
  • ゼロいぬっ!-93
    焼け落ちていく希望からクロムウェルはそれに視線を移した。 現実感を喪失した虚ろな眼が亡国の竜騎士の姿を映す。 百倍近い戦力を以って蟻のように踏み殺した連中、その生き残り。 それが今、杖を伸ばせば届く距離にいるという事実が彼には許容できなかった。 まるで幽霊でも見上げるかのようにクロムウェルは呆然と立ち尽くす。 風を帯びて振り下ろされる隊長の杖。 その刹那、二人の間に一騎の竜騎士が飛び込む。 「皇帝陛下! 早く船内へ!」 風の刃を受け止めながら神聖アルビオン共和国の竜騎士が叫ぶ。 ようやく正気に立ち返ったクロムウェルが慌てて踵を返す。 その背中に舌打ちしながら竜騎士隊隊長が己が騎竜を突撃させる。 だが、共和国の竜騎士も身体を張り侵攻を阻止する。 ぶつかり合う竜の巨体。互いの息がかかりそうな距離で両者は叫んだ。 「退けえェェェェーー!」 「退かぬ!...
  • マジシャンズ・ゼロ-7
    洗い物も終わり、マジシャンズ・レッドによる乾燥を行いながらアヴドゥルは考えていた。 昨日、中途はんぱに止めてしまった、仲間の夢について。 今でも鮮明に残っている…DIOを倒した承太郎の姿。 ジョセフ、ポルナレフの健闘。 そして、イギー…それに……花京院の死。 (占星術が……いや、『天の意』が知らせてくれたのかもしれないな) そう結論を付けることにした。 そもそもスタンドなんて異能を生まれつき持ち、今度は異世界旅行。 まともに考えるものじゃない。 結果は『結果』と認識するのが占い師である。 確かに自分も含め犠牲はあった。 だが、自分達は巨悪に勝ったのだ。 アヴドゥルは仲間の冥福を祈り、そして勝利を祝福した……洗濯物の乾燥をしながら。 洗濯物の乾燥も終わり、きちんと折りたたみ籠に入れる。 空を見る限り、ルイズに言われた起こす時間が迫ってきたようだ。 「ふむ。そろ...
  • ゼロの来訪者-38
    「はい?」 エレオノールの言葉に世にもマヌケな声をあげてしまう育郎。 「だから、私の胸をもうちょっと大きくできないか聞いてるのよ!」 エレオノールは、いわば才色兼備を地で行く女性である。 魔法の腕は言うに及ばず、学問を良く修め、若くしてアカデミーの研究者として その非凡な才を発揮している。容姿に関しても、特殊な趣味の人間でもない限り、 彼女が美しくないと言う者はいないだろう。 無論、それは生まれついての才だけでなく、彼女自身の努力によるものも大きく、 それゆえに揺ぎ無い自信と誇りを培っていた。 だからこそ、とある事を成せぬ理由が     『 結 婚 で き な い 』 のが何故か、彼女にはわからなかった。 ただ単に性格が半端なくきついからだけなのだが、残念ながら彼女はその事に 気付いていない。 己を完璧とまでは言わずとも、そこらの淑女になど劣ら...
  • CRAFT OF ZERO ゼロの技工士-1
    カプリ島 ここ観光客が賑わい、美しい風景と海が広がるのどかな島には不釣合いな男たちがこの島にいた。 山頂で金を取りに行っている6人組みとはまた別に不釣合いだった。 なぜなら二人とも血まみれで、一人は全身傷だらけで、もう一人は明らかに致命傷の銃によると思われる傷が有った。 この男たちの名はサーレーとマリオ ズッケェロ。 この二人はスタンドという超能力使いでさらにギャングである。 この二人はこの島にある先日自殺したポルポという幹部の遺産の回収のためにこの島にやって来た。 ブチャラティという男が遺産の在処を知っているのがわかったまでは良かった。 しかし、一時はブチャラティの仲間を人質に取ったものの、ブチャラティの機転により破れ、ズッケェロは拷問を受けた。 先にカプリ島で待っていたサーレーも奇襲をうけ、今の今まで縛られていた。 意識を取り戻した二人はお互いの...
  • DIOが使い魔!?-51
    魔法学院の正門をくぐって、王女の一行が現れた。 整列した生徒達が一斉に杖を掲げて、歓迎の意を表す。 本塔の玄関にはオスマン氏が立ち、王女の一行を出迎えた。 呼び出しの衛士が、緊張した声で王女の登場を告げる。 「トリステイン王国王女、アンリエッタ姫殿下のおなりであるッ!」 枢機卿のマザリーニに続いて現れた姫殿下の姿を見て、 生徒達は歓声を上げた。 アンリエッタはニッコリと微笑を浮かべて、優雅に手を振った。 誰も彼もが、緋毛氈の絨毯を進む一輪の華に釘付けかと思われたが、 いつの時も、例外はある。 「ねぇ、ルイズ。 さっきの授業……少しばかりやりすぎじゃなかった? そりゃあ、胸がスッとしたのは確かだけど」 観衆達より一歩引いた場所にいたルイズ御一行である。 キュルケは、最初こそ異国トリステインの王女を物珍しげに眺めていたが、 あらかた値踏みをすると...
  • DIOが使い魔!?-51
    魔法学院の正門をくぐって、王女の一行が現れた。 整列した生徒達が一斉に杖を掲げて、歓迎の意を表す。 本塔の玄関にはオスマン氏が立ち、王女の一行を出迎えた。 呼び出しの衛士が、緊張した声で王女の登場を告げる。 「トリステイン王国王女、アンリエッタ姫殿下のおなりであるッ!」 枢機卿のマザリーニに続いて現れた姫殿下の姿を見て、 生徒達は歓声を上げた。 アンリエッタはニッコリと微笑を浮かべて、優雅に手を振った。 誰も彼もが、緋毛氈の絨毯を進む一輪の華に釘付けかと思われたが、 いつの時も、例外はある。 「ねぇ、ルイズ。 さっきの授業……少しばかりやりすぎじゃなかった? そりゃあ、胸がスッとしたのは確かだけど」 観衆達より一歩引いた場所にいたルイズ御一行である。 キュルケは、最初こそ異国トリステインの王女を物珍しげに眺めていたが、 あらかた値踏みをすると...
  • ゼロいぬっ!-22
    「あのバカ犬……!」 手を当てた窓枠がミシリと音を立てる。 階下から聞こえる喧騒に様子を窺えばこの有様だ。 あの馬車、紋章の確認できないけど装飾からして乗っているのは高級貴族。 そして、その行く手を阻んでいるのは他ならぬ私の使い魔。 状況が見えないにも拘らず目にした途端、マズイ事態だと理解できた。 「あ。ちょっと待った!」 ギーシュの声を背に受けながら駆け出す。 話を聞いている余裕などない。 今、この瞬間にでも更に状況が悪化するかもしれない。 取り返しの付かない事になる前に収めなくちゃ……! 「……相棒、相手は貴族のお偉方だ。 下手に揉め事になると嬢ちゃんの責任にまで発展するぜ」 デルフの忠告を耳にしても彼はその場を動かない。 元より彼等と争うつもりは無い。 彼はただシエスタに会いに来たのだ。 彼女が何故去るのか...
  • ゼロいぬっ!-53
    ヴェルダンデの前足が地面を抉り取る。 地上を駆ける馬と変わらぬ速度で、アルビオンの地下を掘り進む。 どれほど進んだのか、残りはどれほどか等と考えたりはしない。 城の地下に到るまで穴を掘り続ける、その覚悟だった。 しかし、自慢の爪が突如として前方の土に弾かれた。 どうやら埋まっていた岩か何かにぶつかったらしい。 それがどれほどの大きさがあるのかは判らない以上、 迂回は致命的なロスに繋がりかねない。 故に、強行突破を決断する。 今の自分を止める事は誰にも出来ない。 シャベルのように揃えられた爪がギラリと輝く。 そして、そのまま渾身の力を込めて振り下ろした。 だが、鈍い音を立てて尚も障害は爪を弾く。 その頑丈さに唖然としつつも、ヴェルダンデは諦めない。 こうなれば気力が尽きるのか先かの根競べである。 いつもの三倍の回転を加えたり、...
  • Start Ball Run-29
    『――シエスタ。私の部屋にワインを持って来てくれ。ワインセラーの中にある、そう、少し奥にあるヴィンテージをだ。それを今日は飲みたい気分なんだ』 新しい雇い主は、彼女にそう命じると、書斎と思わしき部屋に入っていった。 シエスタは命じられた仕事に短く、はいと言って頭を下げた。地下室の鍵を受け取ると、そこにあるワインセラーから、主が望んだ一本を選び出し、それを氷を詰めた樽の中に入れようと薄い布地に包んだ。 主がこのワインを開けるのは、ずっと夜が深くなってからだろう。 ……そのとき、自分には、一体どんな運命が待っているのだろう。 彼女はぶるりと、体が震える。その震えを堪えるために、シエスタは、くっと唇を噛んだ。 痛さと苦さが、震えを紛らわせる唯一の術だったのだ。 暗く、寒いワインセラーから逃げるように出入り口に振り向いて、心臓が停まりそうになった。 忽然とドアの入り口に、誰かが立っ...
  • 味も見ておく使い魔 第三章-09
    トリステインの外交の間に、あわてた青年の声がむなしく響く。 「よ、よって、わが国は、かっ開戦いたします。その、トリステイン王国に……」 蒼白な顔で、開戦通告書なる文書を読みあげるその青年に対し、マザリーニは比較 的開戦の事実を冷静に受け止めることができた。 『メルカトール』からの伝書鳩による定期通信がない事。 それと、この非公式の大使の狼狽振り。 何かトラブルがあったことは容易に想像できる。 しかし、とマザリーニは考える。 まさか、開戦とは。 くそっ。 彼は聖職にあるまじき暴言を内心毒づいた。 このタイミングでの開戦では、トリステインの防衛は危うい。 考えられることは二つ。 ひとつは、アルビオンのやつらが確信的に戦争を仕掛けてきている事。 もうひとつは、あのラ・ラメーが、本当に『レキシントン』に向かって実弾をぶっ 放したことだ。 幸いなが...
  • ティータイムは幽霊屋敷で-20
    エンポリオは遠ざかっていくコルベールの背中を見送った。 どのような説得を試みても無駄に終わるだろう。 それほどまでに彼の決意は固かった。 “子供を戦わなくていいんです。その為に大人は戦うんですから” コルベールの言葉が頭の中で反響する。 ずっと、ずっと、ずっと守られてばかりだ。 最後に振り絞った勇気は今は奮い立つ事はない。 託された想いは受け継がれ、そして神父との決着を迎えた。 そこで長く長く続いたジョースターとDIOの因縁は断たれた。 そして、それに巻き込まれた自分の戦いも終焉を迎えた。 だからこそ平穏な世界からハルケギニアに呼び出されたエンポリオは、 幾度の死線を潜り抜けた戦士ではなく、ただの少年だった。 彼の戦う動機は知り合ったばかりの人たちを助ける為、それだけだ。 この学院を襲撃している者たちにも騎士にもコルベールにも遠く及ばない。 ...
  • 第七話『悶えルイズ、萌えルイズ』
    (・・・まずいわ。マジでヤバイ。本当に勘弁してください) ルイズは困っていた。ハイウェイトゥヘルが発動しそうなぐらい困っていた。 彼女の人生中、堂々のナンバー1で困っていた。 事前になにかを仕込むのは諦めた。 本番でなにもしてくれないだろうというのも覚悟していた。 だがしかし、まさか直前でいなくなるのは予想できなかった。 (なんでこうなるのよぉぉぉぉぉぉ――――!!) 何百人もの観客が見ている舞台の上で、独りぼっちのルイズは心の中で絶叫した。 『変な帽子みたいな使い魔』 一時間経過ッ! 実際は一分もたっていないがルイズにはそう感じられた。 次第に観客たちもなにかおかしいと『ざわ・・・ざわ・・・』とし始める。 (もう消えたい!今すぐここからいなくなりたい!メタリカ!メタリカ!メタリカ!) 心の中で魔法の呪文を連呼するも、現実は非...
  • おれは使い魔になるぞジョジョー!-6後
    ディオはギーシュを甘くみていた。平民が近寄る事すらできないからこそメイジは特権を持ち続けていられるのだ。 だがガンダールヴというルーンはその理を覆し、運命の女神はディオに味方する… ぼくは使い魔になるぞジョジョーッ! 第六話② 「よく来たな!逃げ出さなかったその度胸だけは誉めてやるぞ!」 ヴェストリ広場で決闘が行われるという噂は瞬く間に学院中に広まり、ディオが広場に来た頃には多くの野次馬が詰めかけていた。 ディオはその中を広場の中央まで歩いてゆくとギーシュと相対する。 早速薔薇の花に紛した杖を上げ、戦闘体制に入ろうとするギーシュだが、ディオはそれに待ったをかける。 「なんだ!まさか戦う前に命乞いじゃないだろうな!?」 「どうだ?ただ決闘するだけじゃ面白くない。ここは一つ賭けをしないか?」 「賭けだと!?」 ディオは頷くと宣言する。「ぼくが負けたら我が主人、ル...
  • 『燃えよドラゴンズ・ドリーム その2』
    『燃えよドラゴンズ・ドリーム その2』 「ミテロヨオメーらッ!」 ドラゴンズ・ドリームは天高く飛翔した。 「ルイズはオレを召喚してル! その時点でゼロじゃネェーッ」 草原全体を見渡せる高度まで駆け昇る。 「ソシテオレがッ、もっとッ、もおっとルイズをプラスにシテヤるんダッツーの!」 見える。各所に点在している方角が見える。 風になびく草の先。突き出た岩。露出した泥土。今にも崩れそうな砂山。 ルイズに幸と力を与える方角が見える。 「乙の方角百七度二分十八秒ッ」 使い魔として召喚された時から中立は捨てた。 「辰の方角百二十一度十五分二十秒ッ」 風水は皆に幸せを運ぶためのものという信念は残していたが、 「丁の方角百八十九度零分十五秒ッ」 今はルイズを最優先にする。 「庚の方角二百六十度十四分五十六秒ッ」 風水の基本的な考...
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